日本パッケージデザイン大賞2021 入賞作品となりましたゴンチャロフ製菓さまの紬花
シリーズについてお聞かせいただければと思います。
ー商品のコンセプト決定からサンデザインさんへの依頼の経緯をお聞かせ下さい。
なにも決まってなかったんです。
G 武井さま
以前から続けている和のブランドに、新しい風を呼び込みたくデザインリニューアルを相談したところからスタートしました。
G 辻川さま
コンセプトやブランド名など商品自体も無い最初の状態からサンデザインさんに入ってもらいました。
かなり幅広い方向性からアイデアを出していただき、そこから絞っていった感じです。
S 和田野さま
たくさんのやり取りの中で、コンセプト決める段階になって、
四季折々の彩を提供しようということになり、ネーミング案も同時進行で進めていきました。
いろんな方向性を模索し、提案を続けました。
四季の花をイメージしたり、神戸のハイカラな文化のことであったり、
和を絡めていろいろ提案した中で、「つむぎ」という言葉がお互いマッチし、
そこから紬花というネーミングが決まっていきましたね。
商品はマンディアンで行きたいねというお話もすでにあったので、それならこんな見せ方いかがでしょうか?
とかデザインテイストも含め、たくさん提案しました。
この中にすでに枯山水のアイデアもあって「いいね」という言葉もいただいたこともあり、エンボスや箔などの表現についても検討は開始していました。
ほんとにすべてが同時進行で「もう、無理!」ってなることもありました(笑)
G 武井さま
今見たらたくさん良い提案がありますねー(笑)
S 和田野さま
このたくさんの中から、商品カテゴリも決まって行った感じです。
G 武井さま
このころから、表現方法として坂井さんにサンプルをお願いしていて、
サンプルが上がるたびにいいもんになっていく感じを共有していましたね。
どんどんクオリティが上がるのがわかる。
G 武井さま
いろいろやり取りしてきた中で、「デザイン力」と「印刷力」の融合でうまくできたと思っています。カンプの出来がよく、坂井さんは苦労されたと思います。
S 松尾さま
うちもハイピカという高品質な用紙で提案してましたし、量産時は価格的にも厳しいだろうとは思ってました。
G 武井さま
メタリックがすごい効いててね。カンプが良かったし。
ー最終的に用紙は何に決まったんでしょうか?
G 辻川さま
最終的には上質ベースのアルペーパーですね。
G 武井さま
カンプで出ていた独特の輝きをあきらめようかと思ってましたが、良い仕様を提案いただいたと思ってます。
S 和田野さま
ハイピカのフラットではない立体感のある輝きを表現してもらえました!
樋口
ほかにもいろいろテストしました。表面加工や後加工との相性も確認し、うちの印刷機械にもマッチし、後加工での傷のつきにくさなどから、こちらを提案しました。
用紙× 印刷× 加工。すべてに高難度。
S 松尾さま
最初の校正はすごい暗い印象でしたよね。
樋口
どうしても、色の出方を見るために初校はデータままで出させていただきました。シルバーの出方、ホワイトの効かせ方などイメージに近づけるように調整しました。
G 武井さま
すべて印刷屋さん泣かせの商品やね。みんな苦労したやろなー。
S 和田野さま
ほんとに勉強させていただきました。
ー坂井印刷所の中では、大きなトラブルというか問題はありました?
樋口
ほかの案件も同時に動くのでトラブルはつきものですが、難易度が高いこともありうちの中でも慎重に生産した結果、大きなトラブルはありませんでした。ほんと奇跡的に。
S 和田野さま
校正やサンプルの時から、わかりやすく確実に改善していったのが実感できましたよ。
樋口
製版でも事前にパターンテストしたうえで、提出していますし、満足していただける印刷物になったことはうれしいです。ありがとうございます。
逃げない坂井印刷所のチャレンジ精神。
S 松尾さま
ほんとに印刷技術は高いと思います。
G 武井さま
それは言えますね。印刷はめちゃくちゃうまい。多分ノウハウがすごい。色の振り方で結果を想像し提案してくれたり、紙と印刷の相性も考えて、どんどんグレードが上がっていく感じ。
S 和田野さま
ほんとに、確実に良くなっていく。
S 松尾さま
印刷会社さんて逃げる方っていますよね。いや、ほんとに多いです。だいぶん、印刷表現に対して立ち向かってくれたんだと思います。
G 武井さま
そういえば昔は、校正と本機の違いを言い訳に逃げる方よくいましたね。最終の印刷物がベストになることは珍しいんじゃないかな。カンプ最高みたいなことってよくありますやん。
店頭でも光って見えてたし、苦労されたと思います。
ほんとにいい商品になりました。
対談を終えて。
坂井印刷所として、初めての自社企画のインタビューメディア。
それもクライアントとデザイン会社さんを交えての3 社対談。
作品の経緯や苦労話などを聞かせてていただいて、この仕事を通じ、みなさんの「想い」を「ものづくり」で表現できたことは、本当にありがたいことだと実感出来ました。
印刷会社にとってパッケージのお仕事は、クラアイントとその先の購入していただくお客さまに求められ、デザイン会社さん、材料メーカーさんや協力会社さんに支えられて、成り立っています。ひとつひとつのパッケージにストーリーがあって、生産されていることをこのメディアを通じて少しでも感じてもらえたら幸いです。
次回もお楽しみに。
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