お二人のトライアルのテーマは「オフセットでスクリーン印刷」。
オフセットとは印刷方式のひとつで、アルミの板に感光材が塗布された版で、水と油の反発作用を用いて印刷する手法。この版から紙に直接刷ると皮膜が摩耗するため、版についたインキをブランケットと呼ばれる薄いゴム版等の柔らかい素材に転写(OFF)してから、紙等に印刷(SET)します。一般的に0.8〜1.2μmと極薄のインキ膜厚が特徴。
対してスクリーン印刷とは、合成繊維や金属繊維を織ったメッシュを用い、インキを通過させて印刷する方法です。スクリーン印刷に使用する版には、乳剤と呼ばれる樹脂が塗布されており、この乳剤は、印刷パターンを形成させるという役割と、印刷パターンの厚みをコントロールするという役割がある。この乳剤の厚みは、薄い場合で5μm、厚い場合で100μmくらいです。
つまり、「オフセットでスクリーン印刷」とは、膜厚の極めて薄いオフセット印刷で、膜厚の厚いスクリーン印刷のように紙地を覆い隠すような表現ができないかという挑戦のことです。
スクリーン印刷のような表現を目指し、白インキや銀インキ、マットスミを用いてクラフト紙や蛍光色の用紙に刷ったサンプルが展示されていました。
ポスター作品は、テスト結果が反映された、紙地がどれなのか一見わからない(よーく見てもわからない)、どれが紙地なんだろう?と考えながら楽しく見られるものになっていました。
イラストもまた可愛らしく、さまざまな「遊び」が描かれた作品です。
vol.4では生島大輔さんのトライアルをご紹介いたします!
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